株式市況を論じる経済ニュースでも、国際商品市況関連についての話題も多い。
株や為替がぱっとしない中、原油高騰、小麦高騰は投資家の心中をざわつかせるに足りる上げっぷりだ。
同じ日の日経新聞では、「日清食品が9月中間決算で18%減益、原材料高が負担に」という記事も出ている。先般紹介したように、カップヌードルも値上げしないと原材料高を消化しきれず、業績に響いているわけだ。麺の材料である小麦の高騰は言うに及ばず、工場を稼働させ、流通させるためのエネルギーコストの上昇も激しい。
デフレ、デフレといわれてきたが、とうとう、インフレが始まったということではなかろうか。
昨年、、それまでの東京工業品取引所ザラバ銘柄だけでなく、穀物相場も取り扱い銘柄に増やしたのは、2007年のテーマが穀物相場の価格シフト的な上昇になるかもしれないから、取引のチャンスを拡大しておこうという意図であった。
今年、2007年はすでに小麦相場の大爆発的上昇が始まっている。
世界需給が逼迫しているのに、世界生産が伸びず、需給逼迫状態が継続するとの見通しが背景だ。
トウモロコシは今のところ春の高値からは下げているが、これは目先の米国内需給が大幅増反と豊作によって緩和しているためであるが、世界全体での需給バランスはどうかというと、期末在庫率が実は小麦よりも低いという状況にある。
昨年の秋もそうだったが、小麦が急騰するとトウモロコシが追いかけ、需給緩和状態にあった大豆も、次ぎの作付け面積がこの相場バランスなら減るだろうという先読みで追従高をした。
今年は去年よりも1ヶ月早く、しかも爆発的に小麦が急騰した。今期の米国需給が引き締まった大豆が連鎖し、増反豊作のトウモロコシは逆に下げ基調ではあるが、昨年同様、すでに市場の関心は来年春の作付け面積に移っている。
同じものを連作すると単収が落ちる、畑が傷むから違うものにシフトするケースも多いというが、来年の春は今年の逆で、コーン減反大豆増反というのが市場の見通しになっている。
ところで、小麦とトウモロコシの相場を比較してみると、大体小麦÷トウモロコシの比率は1.0倍から1.75倍程度のレンジで往来してきていることがわかる。これはなにを意味しているのかというと、比率が高くなれば適正に修正が働くから、比率が往来しているということである。
今は小麦の方が異常に高い比率になっており、農家の作付け意欲はより小麦へと向かうが、その反動でトウモロコシの作付けは減り、生産も減れば価格バランスはまた元にサヤに収まるのではないかということだ。このことは、大豆、小麦、コーン、どれかが上昇相場を牽引していたにしても、価格バランスから他の商品も相対的に連鎖上昇してバランスをとりにゆくということを意味している。
中国、インド、ブラジル、ロシア、これらの経済成長が、それまでバランスしていた世界の原材料相場の需給バランスを壊した。
彼らが懐に余裕ができて、それまで我慢していた食事の量を増やしただけで、パンや中華まんや麺類の材料需要は増える。
彼らが我慢してきたステーキやハンバーグを食べ始めれば、牛肉の需要が拡大し、牛のえさ、飼料穀物需給バランスも崩れる。
そこに、地球温暖化対策でバイオエネルギーとか言われ始め、一定規模のトウモロコシ農家がエタノール工場にトウモロコシを売り始めた。
トウモロコシは今年、増反豊作だが、いつもの年なら2ドルあたりまで相場が暴落していても不思議ないのに、春から下がっているとはいえ、3ドル以上で高止まりしているのは、こうした需給逼迫感と、需給構造の変化が背景にある。
いくら世界最大の穀物輸出国である米国の国土が広いからといっても、作付け面積はそんなには急激に増えない。
ということで、異常暴騰の小麦の後を追いかけるトウモロコシ、大豆という流れを意識しておきたいと思うわけだ。
0 コメント:
コメントを投稿